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新刊

我が家の問題

帰宅するなり、鞄から弁当箱を取りだし、「美味しかった」といってくれた。短いひとことでも、家についたらまずそれを言おうとしていた気持ちが伝わり、恵みの心は抱きしめられたときのようにあたたくなった。
1

イン・ザ・プール

おまけに、食欲がないのを知っていて好物の金目鯛の煮つけを供したりする。半分残すと尚美はよろこんで皿を引き寄せるのだ。
2 無理 ここにいるのは、人生がうまくいかなかった者ばかりだ。この先逆転する可能性は低い。だから、来世があると信じ、励ましあって生きていくしかない。
3 最悪 小さい方の給湯室の客はお茶だけでいいことになっている。
4 邪魔 スーパーに勤める男たちは女が嫌いだろうな、と恭子は思う。
5 ガールマンションかー。ゆかりは深くため息をついた。欲しいのに、買いたくない。この気持ちに、深く立ち入りたくない。
6 マドンナ 八つ当たり気味にケースを叩いたら金具で手を擦りむいた。
7 東京物語 母がいなくなると久雄はやかんでお湯を沸かした。なんとなくそういうことをしてみたかったのだ。
8 ララピポ この人たちはどうしてるのかな―――。ふとそんなことを思った。世の中には成功体験のない人間がいる。何かを達成したこともなければ、人から羨まれたこともない。才能はなく、容姿には恵まれず、自慢できることは何もない。それでも、人生は続く。この不公平には、みんなはどうやって耐えているのだろう。
9
純平、考え直せ
純平は、胸の中にぽっと灯がともるようなしあわせを感じた。キンキンに冷えたビールを飲みたくなった。
10 オリンピックの身代金 仕事で人並みの成果を出せないでいるため、国男自身もとくに不満はなかった。飯場の仲間から、役立たずと思われることのほうが怖かった。
11 家日和 出た。自分らしくかあ。康夫が思うもっとも恥ずかしい言葉である。
12 クリスマス・ストーリーズ パックをはがし、丸めてゴミ箱に放り投げる。外れて床を転がった。舌打ちをして立ち上がる。
13 町長選挙 伊良部がメロンをハーモニカのように食べた。
14 真夜中のマーチ
15 空中ブランコ
16 サウス・バウンド
17 ウランバーナの森
未読 作家の手紙

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